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投球障害の一つに上腕二頭筋長頭腱炎というのがある…腕を後ろに引いたり後ろから前に力強く動かす時に肩口の前部に痛みを感じる症状で野球以外にも水泳やテニス,バレー,ハンドボールといった腕を大きく動かすスポーツで発生しやすい
主に使いすぎが要因の一つなので40~50代の男性に起こりやすく四十肩や五十肩とも混同されるが幼少期から特定のスポーツをしている青少年にも起こりうる
先のATの説ではベンチプレスで固く縮んだ大胸筋が肩(上腕骨頭)を前方にスライドさせ投球時にその状態で肘を後ろに引く事で腱へのストレスが増大し障害の原因になるとされている
ベンチプレスで大胸筋が縮むという考え方にも言いたい事はあるがそれより注目すべきなのは肩を前方にスライドさせて肘を後ろに引くという動作
ベンチプレスで肩を前に出すのは筋トレとしては正しくないフォームであり初心者が一番陥りやすい間違い…どちらかと言えばバーベルやダンベルよりもマシンを使ったチェストプレス(動作自体はベンチプレスに似ている)で起こりやすい
※初心者にとってマシンは多少フォームが崩れても安全に行えるというメリットもあるが逆にフォームが間違っている事を理解しにくいというデメリットにもなる
肩が前に出たままベンチプレスを行うと大胸筋への刺激が逃げて効果が低くなるだけでなく肩への負担が大きくなり怪我をしやすくなる…これを防ぐ為にベンチプレスでは胸を張れとか肩甲骨を寄せろとかのアドバイスがあるが全ては大胸筋の可動域を大きく取るのが狙いであり怪我のリスクを最小にし効果的に大胸筋を鍛えるには肩を胸の中央より前に出さないのがコツとなる
※筋肉の可動域とバーベルやマシンの移動距離とは別物なので注意が必要…場合によっては関節可動域とも異なる事もある(関節が大きく動いてるからといって必ずしも筋肉が大きく動いてるとは限らない)
投球時にも肩を前に出しながら肘を後ろに引く癖のついた人は多い…この癖を解消しない限りベンチプレスをやろうがやるまいがいつかは肩を痛めるだろう
投球障害はベンチプレスやその他の筋トレに原因があるのではなく障害を起こしやすい動作の癖に原因があると考えた方が良い…本来ならそうした動作の改善まで指導するのもATの仕事の一つだと思うのだが
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