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すると武器屋の親父は慌てて…
武器屋「坊主!シィー!!」
…と、口元に人差し指を当て「静かに」のポーズをとった。
少年「え…ど…どうしたの?」
状況が飲み込めない少年。
武器屋「いいか坊主…これから言うことは心の中だけに留めてくれよ…。」
少年「う…うん…わかったよ…。」
何だか分からないが重要な事らしい…。
武器屋「実はな坊主、この城下町では国の法律で鉄製の武器や防具は取り扱ってはいけない事になっているんだ。」
少年「え…だって城にいる兵士達は鉄の武具を…。」
武器屋「奴らは鉄の武具を扱う遠くの町の武器屋に注文してるのさ。」
少年「何でそんな手間の掛かる事を…。」
武器屋「大きな声じゃ言えないが王様…と言うか周りにいる貴族やエリート共が一揆…つまり住民による反乱を恐れているのさ…。」
少年「反乱って…今そんな事言ってる場合じゃ…。」
武器屋「坊主、城に居る奴らは自分の事しか考えてねぇ…たとえ民百姓が苦しもうが、魔物達が暴れようがな。…ただ一人、姫さんだけはまともだったけどな。」
少年「姫って…。」
少年は城で王に謁見した時にはそれらしき女性を見ていなかった。
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