三人目

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「・・・・・ったく、あのジジイ。」 神という名の爺に導かれ、元いた世界に戻れなくなったと言われ、その上とある世界に突き飛ばされる事となった青年。 「あと少しで渋谷のゲーセンの荒くれ共を仕留めれたモノを・・・。」 元の世界では、激しい激闘の末に、暴虐たる悪の帝王を倒し、平和を取り戻した後、新たな目標を設立して次なる戦いに身を委ねていたはず・・・。 「・・・ここは森のようだな・・・・。まあ、あのバカがいないと思えばせいせいする。」 辺りを見回す真っ暗闇の樹海の中。上空から雲一つない星空が光を放ち、明るく感じる。 「・・・まあ此処がどこだろうが、俺のやるべき事はただ一つ。」 自前の黄色に染めたアフロを指で掻いたあと、アフロを掴んで引っ張ると、元から切れ目があったかのように二つに割れ、アフロを宝箱のようにパカッと開けて、中に入っていたカレーパンを取り出し、口に入れる。 「おはぎを千個食す!!」 掛けていたグラサンを上げ、首に掛けていたネックレスが月明かりで光る。それにはイニシャルで『H』と彫られていた。
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