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「っ疾!」
刀を目一杯薙ぎ払う少女だったが、目の前の青年の身体が真っ二つに切れることはなかった。それどころか、血飛沫の一滴さえ流れていなかった。
「な!?」
少女は驚愕する。渾身の一撃をぶち当てたはずなのに、弾かれた感触がないため、プロテクターなどを装着している可能性はまずない。ではなぜと、切っ先を確認すると、少女の瞳にとんでもない光景が映った。
「ふ~。間に合ったか。さすがSDC。全国選抜優勝校。」
青年の胴体に付着した複数の生物が、少女の刀を受け止めていた。生物の大きさは小石程度。成りはまるで小型化した人間。それらが青年の体を護るかのように、敵の攻撃をガードしていた。
「桜山ディフェンスクラブ(SDC)!只今見参!!」
センターポジションにいた生物が喋った。
「な、な、なんだこれはーーーー!!!」
少女は壮絶な目の前の現象に面食らう。
「隙あり!」
青年は蹴り上げを繰り出し、少女が持つ刀を弾き飛ばす。
「あっ!?」
少女の得物は、弧を描くように弾かれた。
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