四人目

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スケイルの望みは、ナナシと一緒に・・・、 ナナシと対等な存在として、ずっと側に生きていきたい事だった。 そして、トーテムであるスケイルは、能力という存在から、人間の姿に変わり、実体を持てる存在になった。 彼女はトーテムといえど、竜の部族に類する。 しかし、争いを好まず、柵(しがらみ)を取り除きたい一心で、竜族の心を動かせたいのも理由の一つだった。 リクレールの使命といえど、傷つきながらも敵に立ち向かうナナシの姿を見て、胸の奥底に突き刺さるモノがあったかもしれない。 そして、人間の姿になる事ができ、いつもナナシの内側から支えていた彼女が、彼と向かい合うように眼差しを交わしたのは初めての事。 彼女にとって、人生で最も至福の時だった・・・。 それから彼女とナナシは共に戦い、共に助け合い、共に愛し合った・・・。
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