四人目

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「・・・元気ならなりよりだ・・・。それで?」 「はい。実は数日前の事、ある魔物の森の巣窟から、魔力の反応がありました。私が調べてみたところ、大気に亀裂が走ったかのように、空中にヒビが入っていました。」 「まりょく・・・?空中にヒビ?」 「魔力とは、魔法を唱える際に必要な原動力の事。・・・当然シルフェイドには魔力は存在しません。人間や竜族、一部の魔物はトーテムや古代の知恵と意思を用いて魔法を使います。そのヒビから漏れている魔力は、おそらく別世界の影響だと思われます。」 「・・・シルフェイドとその世界が何か関係しているのか?」 「前触れのない突然の現象に危険を感じた私は、その亀裂を塞ぐと同時に、その先へと繋がる世界について調べてみました。」 「・・・つづきを。」 「その世界は、シルフェイドと同じ様に人間が住んでいました。驚く事に、人間の数も世界の規模も広さも次元が違います。更に特徴的なのが、魔法と魔力の結び付き。彼等は、魔力という力を用いて魔法を使用していました。シルフェイドとは違うようです。・・・・・重要なのはここからです。その世界には『亜種』と呼ばれる者が存在します。」 「・・・亜種とは?」 「ベースは人間で、体の構造が異なり、形や体格も異なる種族が百を超えて存在します。・・・シルフェイドとは比較的に大きな世界。意思の共通が困難な事が要因なのでしょう、互いを異形だと否め合い、戦争、部落差別、不確立な和平、憎しみ、不安、恐怖、あらゆる混沌が伝わってきました。・・・・・しかし全てがそうではありませんが。」 「・・・かつての人間と竜族の関係だな。」 「はい・・・。かといい、このような世界を目の当たりにし、手を出そうとは思いません・・・。・・・・・ですが、そう無視できるレベルではなくなってきています。」 「・・・・・どういうことだ?」
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