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そして、ナナシとクロウは、リクレールの力で、目的の世界へと転移する。
意識の海より、再び息を吹き返した者の度重なる試練。
選択の余儀なく、後ろを返る暇もない。
幾度となく血を流し、まどろみや悲しみを乗り越えていく日々もあった。
何も接点のない世界に対し、重責を負うこととなった少年の運命は、ただ孤独に、自分を静かに奮い立てる。
周りは思うだろう。
何故呪わない。自分の過酷な運命に。
『私はどんな時でも、ナナシ様のことを、祈ってますから・・・・。』
死は怖くない。
たまに感じる虚無にも怖じけない。
『どんなにつらい事があっても、決して負けないと・・・祈っています・・・・。』
心の奥に、確かに感じる温もり。
また、会えるという希望。
それさえあれば、光が見えてくるのだから。
〓続きから。
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