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賀茂大橋の西詰に着いたとき、ふいに後ろから声が聞こえました。
どこかで聞いた声と思い振り向くと刀を差した紺の着物の人。
あぁこういう人を武士というのだろうと少し見ていると、その人は私の視線に気付いたのか近づいてきます。
「何を見ている」
どす黒い、殺気のこもったその一言に私は一瞬ですくんでしまい、体が口が動きません。
しかし、その人は何を思ったか、私を舐めるように見て、ふいに私の手首を掴んできました。
「来い」
そう言うか否か私の手首を引っ張り無理矢理橋下へ連れていきます。
あまりの突然の事でしたから、何も抵抗することもできず。
私は澄んだ川横の砂利の上にある椅子らしき物に座らされました。
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