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ぼんやりとしていた光がはっきりと見えてくるようになると、出現したのは京町屋の群集で。
アスファルトの道路など全くない、祇園などでしか見たことなかった風景が辺り一面に広がっていました。
ぞくりと背中に冷たいものが走っていく。そんな、信じられないことがあるわけがないでしょう?
それを少し上から見ていた私はふと横に朱色の柱が建っているのに気付きました。
暗闇に少し慣れた目で凝らして見ると、どうやらそれは鳥居のよう。
どうやら私は神社の中に倒れていたようです。
この神社の名前は、と確認しようにも暗い上に字が所々剥げていて、確かめることができません。
どこかの森の一角にあるこの神社はなぜか異様な妖気に包まれていて、私はたまらず走り出しました。
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