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帰りの道中はカップルだらけ、いつも一人か友達と帰っているから、別に通るのが嫌だとかは思わなかったが、今日は違った。
『なぁなぁ、この学校はカップルが多いんだな』
彼が私に聞いてきた言葉に、追い討ちをかけるように私は返した。
『カップルが多いのはどこも一緒じゃないの?』
一輝はその言葉に、少しう~んとなり、そして答えた。
『俺の学校(トコ)では、数える程しかいなかったぜ?』
『へぇ、そうなんだ』
それから一輝は、前の学校の話をしだした。
COOLそうな見掛けによらず、よく喋るんだなと私は思った。
一輝の家の近くになり、分かれ道で帰ろうとした時、一輝は私と同じ方向に来だした。
『何?』
私は聞く、すると一輝は
『家まで送ってやるよ!
もぅ暗いし、一緒に帰ってくれたからな』
私は、少しビックリした。男の子からそんな事を言われたのは、産まれて初めてだから、混乱した。
ワケがわからなくなり、ついつい頷いてしまった。
『んじゃあ、行こうぜ』
『あ、ぅん…』
結局、送ってもらう事になってしまった。
『望月っていい名前だよな~』
彼が不意に言った。
私は彼の言葉を付け加えるように言い返した。
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