第一話†転校生の男の子†

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 帰りの道中はカップルだらけ、いつも一人か友達と帰っているから、別に通るのが嫌だとかは思わなかったが、今日は違った。 『なぁなぁ、この学校はカップルが多いんだな』  彼が私に聞いてきた言葉に、追い討ちをかけるように私は返した。 『カップルが多いのはどこも一緒じゃないの?』  一輝はその言葉に、少しう~んとなり、そして答えた。 『俺の学校(トコ)では、数える程しかいなかったぜ?』 『へぇ、そうなんだ』  それから一輝は、前の学校の話をしだした。  COOLそうな見掛けによらず、よく喋るんだなと私は思った。  一輝の家の近くになり、分かれ道で帰ろうとした時、一輝は私と同じ方向に来だした。 『何?』  私は聞く、すると一輝は 『家まで送ってやるよ! もぅ暗いし、一緒に帰ってくれたからな』  私は、少しビックリした。男の子からそんな事を言われたのは、産まれて初めてだから、混乱した。  ワケがわからなくなり、ついつい頷いてしまった。 『んじゃあ、行こうぜ』 『あ、ぅん…』  結局、送ってもらう事になってしまった。 『望月っていい名前だよな~』  彼が不意に言った。  私は彼の言葉を付け加えるように言い返した。
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