18人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
半ば、意識が飛びかけているような状態で外をボーっと眺めていると学校に着いた。
すでに10時を過ぎたぐらいで授業もまっただ中な訳で、昇降口前の広場は閑散としている。
俺たちは車を降りた。ちなみに今の俺の格好は、当然女物の服なんて持っているはずもなく、かと言ってお袋の服を着るなんてこともしたくないので、下は紺のジーパンに上は白のパーカーという女性としては、それはそれはいびつなものになっている。
いかんいかん、再びげんなりなってしまいそうだ。落ち着け、落ち着け・・・。
すると、後ろから親父がなぜか満面の笑みを浮かべ、俺の肩をポン、と叩いてきた。
「・・・。」
まあ、一応励ましと取っておこう。
そろそろ行くか・・・。打開策のない今、いつまでも隠れている訳にもいかないしな。そう思い、俺は歩き始めた。
最初のコメントを投稿しよう!