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「なぁ、お前」
俺は男の肩に手を掛け、こちらを振り向かせるために力をかけた。
男はビックリしたがすぐに俺を睨んできた。
「ンだよ……お前」
「彼女を解放しろよ」
「いやだね。今夜は遊んでもらうんだ」
「……嫌がってんだろ?」
「そんなんそそるじゃん」
俺は思わず殴ってしまった。
なんなんだ、こいつは……。
そうゆうのは本当の彼女とやれ。
「テメェ……何しやがる!!」
取り敢えず、男が俺目掛けて拳を振りかざしてきそうだったので、「逃げるぞ」と彼女に声をかけると同時に手を掴んで走った。
男は急なことに驚いたのか「おい!!」と声がしたが、構わず走り続けた。
曲がり角を沢山曲がり、もし追いかけられていた場合のために見失わせるよう走ると彼女が「はやいです!!」なんて叫んだから俺は思わず止まってしまった。
「すまないな……」
「助けなくてよかったのに」
「……は?」
「私っ……助けてくれなんて頼んでません」
じゃああんな顔をするなよ
てか俺が悪いのか?
「助けて―……みたいな顔してたじゃん」
「あれは来ないで…って顔です!!助けて欲しかったら抵抗してました」
この女……。
俺はムカついたから腕を取った。
なんなら俺が連れ込んでやるよ。
「え?ちょっ」
本日女を取り替えての2ラウンド目。
どうせ会うのも今日限りの女だ。
「今夜は……狂わせてやるよ」
俺が怪しく笑うと彼女は怯えた目を向けた。
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