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……はぁ……
アクセサリーショップの中で、あたしはため息をついた。
今日何回めかな、ため息つくの。
だって。だって。
仕事はクビになるわ、彼氏はとられるわ、本当に踏んだり蹴ったりなんだもん。
じわっと涙が滲んできて、あたしは慌ててまばたきした。
一生懸命、慰めてくれた友人たちの声を思い出して、自分を元気づけようと、虚しい努力を試みる。
「れなは可愛いから、妬まれてるんだよ」
ううん、そんなことないもん。あたしなんて、全然たいしたことないもん。
「同性に妬まれても、男にモテるからいいじゃん」
でも、同性の友達だってほしい。それに、そのせいでイジメられたんだよ?
「れなは、学校でも職場でもモテモテだったからねー。ちょっとしたアイドル?羨ましいよぉ、オメメぱっちりだしさ」
でも、あたし、本当は男の人ってちょっと苦手。何か恥ずかしくて、うまく話せない。
「も~、24にもなってそんなこと言ってるから、『ぶりっこ』ってイジメられんのよ!邦彦(くにひこ)さんとは普通につきあってたんでしょ?」
だって、邦彦さん、とられちゃったし。
あ…駄目。また涙が滲んできた。
涙がこぼれないよう上を向いて、あたしは、長い睫をしばたたいた。
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