大蠍とオリオン

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ヘラと神々は相談し 【出来るだけ、ケチくさい奴にオリオンを殺させよう】と話がまとまりました。 ヘラは毒を持つありとあらゆる動物を候補に挙げました。 毒バチ・毒蛇・毒ぐも・ムカデ・毒トカゲ…そして日陰者でどちからかといえば嫌われている蠍が呼び出されました。 毒虫蠍とはいっても並み外れた大物であった。 ヘラは悩みに悩んで蠍に殺させようと決めました。 「待っておれよ…オリオン。この蠍でお前を殺してやるからな…。」 ―――――――――――― いつもの様にオリオンはのっしのっしと威張りながら歩いていました。 それを見付けたヘラは蠍に「アイツを殺してこい。」と命令しました。 猛毒を持った蠍は気付かれないようにオリオンの足元へ行き〈チクリ〉と一刺し。 大男のオリオンにとっては蚊に刺されたほどの痛みもない、それに大蠍といっても大きさもそれほどではない。 オリオンが気付かぬうちに毒は全身を周り訳が分からないままオリオンはあえなく息を引き取った。 「よくやった蠍。褒美としてお前を星座として星空にあげてやろう。」 ―――――――――――― そして蠍が死んだ後、ヘラの力によって今も星空で輝いています。 さて…オリオン座と蠍座が有ります。 だけど同時には出て来ません。 それは訳が分からないまま死んだオリオンはあの世で【蠍に刺された】と知らされ蠍が苦手になりました。 星座になったオリオンは蠍から逃げる様に星空を巡ります。 蠍が西に沈むところを東から見計らうようにオリオンが出て来ます。
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