Christmasプレゼント企画

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 「俺は、手順は踏む方だ」  「手順って何!?」  「お前、意味を知らないのか? 辞書あるだろそこにも」  そう言って事務所の方に後ろ指で示す。  ――違う、そうじゃない!!!  「そ、そういうことじゃなくてっ」  「駄目だな理香は。まだまだ頭が足りない」  「はぁ!? あ、アンタが、お、おかしいんでしょ!?」  言い返しながらも頭の中はこんがらがってるし、いろいろ恥ずかしさでいっぱいで顔は赤いままだ。  なんで私がこんなにやり込められているのか分からないけれど、とにかくおかしいのは私じゃない。  私じゃない、はずなのに――  「取りあえず、もう黙って従えよ」  そう言うや否や、彼の手が壁から離れて私の頤を持ち上げた。  逸らせないその言い方も、その手も何もかも気に入らない。  でも、悔しいかな。  私は志貴のグレイの瞳だけは堪らなく好きで、アレにだけは逆らえないっていつも思う。  「理香」  熱っぽく感じるその声で名前を呼ばれると、身体の奥がジンと何か響いて溶けていく。  それに耐えるように瞳を持ち上げると、完全にその瞳に捕まった。  「し、志貴なんか、嫌いなんだからっ」  悔し紛れにそう言いかえしながら、プレゼントのお礼も言えない自分が情けない。  それでも奴はそんなことは気にすることはない。
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