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「言ってろ」
もうすでに、私の心の声なんて駄々漏れなんだきっと。
嫌いと言ってるのに強引に顔を近づけてきて、私の唇を呆気なく奪っていく。
徐々に深みを増す口づけを拒む術なんて私は知らなくて、まさぐる舌先にただただ追いつくことしか考えられなくなる。
倒れそうになるのを壁で支えながら、そっと志貴の首に両手を回した。
そのまま彼の後頭部に指先を滑らせながら、軽く髪を掴んでしまう。
そうすると、囚われているのは私じゃなくて、志貴のような気がしてきた。
もらったばかりのブレスレットが手首から肘の方に滑り落ちて、チャリとまた音を鳴らした。
―Merry Christmas―
25.12.25
唇が離れた瞬間に囁かれたのは、お前からのプレゼントはもう決まってるからな、って。
――それって、どういうこと!?
END
By:桜倉ちひろ
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