始まりは図書室で。

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昼休み。 図書委員を務める私はいつもの ように 図書室のカウンターで本を開いていた。 少し騒がしい図書室。 変わらぬ光景。 ‥‥あ、また居る。 本から目を離し、ふいに送った視線の先にはいつも図書室に来ては騒いで先生に怒られている男の子。 今日も友達と賑やかに話している。 あの人、本なんて読まないのに何で毎日のようにここに来るんだろう。 まあそんなことどうでもいいか、と再び本に目を戻す。 「でさ、昨日のテレビ――」 「観た観た!!あれ、爆笑だったしな」 「俺なんてずっと腹抱えてたから!!」 「ほんとだよ、笑い過ぎて腹、筋肉痛なったっつの」 本を読み進めているとありきたりな会話が耳に入ってくる。 その後にしばしの笑い声。 正直、ああいう人達は苦手だ。 、
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