28人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺とお前はよ、長い付き合いだが今まで1度も喧嘩なんてしたこと無いよな。喧嘩する程仲が良い、なんて言うけどさ、喧嘩なんてしなくたって仲良くはなれるよな。少なくとも俺はそう思う。だからこれからもよろしくな。」
佑は珍しく無邪気な笑顔を見せた。
しかし、その言葉は別れの言葉の様に聞こえ、悲しみが襲ってきた。だがそれと同時に悲しみとは別に、嬉しさもあった。
その2つは涙となって込み上げてきた。片方の目からは嬉しさの涙、もう片方からは悲しみの涙が出ている気がした。
それに気付き、佑は焦る様に言った。
「ちょ、何泣いてるんだよ!別に永遠のさよならを言ってるんじゃないんだからよ!」
「わかってる、わかってるけどよ~、今言う言葉かよ~。でも俺、嬉しくて、悲しくて、自分でもなんで泣いてんのかわかんなくて。」
涙を流しながら佑を抱き締める俊は「これからもよろしくな、よろしくな」と言い、それに佑は「わかった、わかった」と受け応えていた。
その2人の様子を絵理は微笑み、見ていた。
-ウチのリーダーはよくこんな最高なタッグを見つけたわね。すこし見直したかも。
そう思いつつ、絵里は2人に向かってこう言った。
「2人共、命の保証はしてあげるから、私を絶対に信頼して。そしてマイナスな事を言わない、考えない。良いわね?じゃあそろそろ行くわよ。」
「はい。でもその前に作戦を確認して良いですか?」
「えぇ、良いわよ。」
そう言い、俊は作戦の流れを確認し始めた。
「えっとまず俺がここで一発撃つ。そうしたらここら辺にいる人の殆どが逃げる。半分くらいいなくなったらこの警官の後ろに隠れて外に出る。そしたら相手が撃ってくるだろうから、その時に佑が敵の大まかな方角と距離を伝える。あとは距離によって作戦変更の可能性あり、でしたよね?」
「そうね、合ってるわ。完璧よ。」
会話が終わると早速個別に最終作業を開始した。
俊は警官の額の血を綺麗に拭き取り、動かす練習を。
絵里は自分の銃と俊が使うエアウェイトの点検を。
佑は何やら糸電話の様な物を作っていた。
「じゃあ俊君、佑君、準備は良い?」
「「はい!」」
「2人共声が揃っててよろしい。じゃあ俊君、よろしくね。」
そう言い俊にエアウェイトを手渡した。
その銃は警官のホルスターから取り出した時より綺麗になっていた。
それを受け取るとそれぞれ持ち場に着いた
「じゃあやります…!」
最初のコメントを投稿しよう!