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パァァン!
辺りに銃声が響いた。
「きゃあぁぁぁ!!」
作戦通りの反応だったが、殆どの、特に女子供が金切声を上げたり、喉が潰れるんじゃないかと思うくらい叫んでいる。それはかなり五月蠅かった。
「絵理さん!俊!これじゃ敵の銃声なんて聞こえないよ!」
糸電話の様なものをいつの間にか入口に貼り付けていた。多分即席で作った集音機なのだろう。
「取り敢えず銃を構えながら警官を前に出して!」
そう絵理が叫んだ。俊はギリギリ聞こえた指示を即座に実行した。
警官の腕を前に出し、構えている様な姿勢を作り、外に出た。勿論相手からは見えない様に努力した。しかし
バスッ、バスッ
敵は2発弾を撃ってきた。しかもそれは、ほぼ正確に“俊の右腕を狙って”。
しかしこの攻撃を受けてわかった事が一つ…
「「相手はセミオート!」」
2人はほぼ同時に叫んだ。この時俊の頭の中では色々な“可能性”が渦巻いていた。
-相手の銃はPSGか?いや、ナイツの…だとすると…
俊は警官を支えたまま交番へ即座に引き返した。右腕がヒリヒリする。弾が掠ったのだろうか。
腕が紅かったが、それは自分の血なのか、駅や近くの商店街の煌々と光るライトでそう見えるのかはわからなかった。
俊は心の底から湧き上がるものの存在に気が付いた。叫んだ時には感じられなかった感じ。
勇気なのか武者震いなのか、それとも自分達を巻込んだ上に、けしかけようとする相手への殺意なのか。そこまではわからなかった。
-巻き込んだのは絵理さんだっけ? まぁこの際なんでも良いや。
その感覚はテストを開始する前の落ち着いていられずにソワソワする様な感じにも似ていた。
なんでも出来る気がする。多分瞳孔が開いている。自分でもわかる。
俊の異変にいち早く気が付いた佑が言った
「俊!しっかりしろ!ボーっとするな!」
その言葉で俊は自分の世界から引き戻された。
息が上がっている。
興奮のし過ぎだろう。
俊は昔から身の危険が迫ったり、悦びを感じたりするとアドレナリンが人一倍分泌されるという体質があった。それのおかげで幼稚園~小学校低学年までは扱いが難しかったという。
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