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「…わりぃ。絵理さん、これからどうします? 相手はかなり腕が立つらしいですが…」
「そうね…それにやっぱり敵は2人以上いる可能性が高いわ。」
それに同調して佑が付け加えた。
「うん。悲鳴で正確には聞き取れなかったけど、初弾から一拍遅れて別の場所から聞こえた気がする。」
それを聞き絵理は肩を落した。
「私、これでも“多分”とか“かもしれない”とかって言葉、あんまり好きじゃないのよ。でもこの状況じゃ仕方ないかも。」
そう言うと絵理は考える素振りを見せてからこう言った。
「仕方ないから私が今考えた作戦を言うわ。矛盾とか意見とかあったら指摘して。」
「はい。」
「じゃあまず今の状況からね。皆がこちらを見てる。注目の的ね。これじゃまた人が集まってきちゃうわ。この状況を打開するにはどうすれば良いと思う?」
その質問には俊が答えた。
「また銃を撃ったらどうですか?そうすればまたどいてくれるかも。あ、覆面とかすれば効果アリかもしれないです。」
その言葉に絵理は溜息をつき、こう説明した
「じゃあ、君は機関銃が付いてる門を弾が4発しかない銃で門を破る?それも2発目を無駄にして。」
「それは…」
短い返答だったが、俊は黙ってしまった。
彼女は俊にわかる様にしたのだろう。
詳しく説明すると、機関銃をスナイパーに、門を交番の前にいる人々に見立てたのだろう。
機関銃は一つしか見えないが、その近くに2~3まだあるかもしれない。
そんな門の前に立ち、開けるように一発撃つ。
しかし開けてもらったところで、真正面から蜂の巣にされるだけ。
そう例えたのである。
俊は悔しそうにしていた。
彼女もここで死ぬものかと“ちゃんと”思っていた。
-私もこんな場所で死ぬ訳にはいかないわ。まだあれも完成してないし。でもおかしいわね…彼はもしかしたら“病気持ち”なのかしら…
そこでハッと思い出したかの様に言った
「いけない、つい考え込んじゃった。佑君は何か意見ある?」
「はい、一応考えたんですけど、自分でも成功するかどうか…それと聞きたい事があるんですが、相武高校ってちゃんと科に分れてるんですよね? だったらなんで仲間の救援呼ばないんですか?」
その言葉を聞き、絵理は何かに殴られたんじゃないか、というような反応をした。
「え、えっとね、今は皆任務に行ってるの!そう、任務!だから誰も今は…」
その時、絵理の携帯に電話がかかって来た。絵理はかけて来た人物を見てから恐る恐る電話に出た。
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