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「はい、もしも…」
「おっっそい!!!何分かかってんだよ!? ほんとにテメェらのリーダーが言ってた新人かよ!!だとしたらテメェらのリーダーは目ぇ節穴かぁ!!あぁ!?」
絵理は耳から電話を離していた。胸の辺りまで携帯を持って来ていても、全然声は聞こえる。声の主は女性だった。
絵理はごめん、というような感じだった。
その様子に俊と佑は、ただただ唖然とするだけだった。何がなんなのか、本当にただ唖然とするだけだった。
声が少し収まると、絵理は電話の相手に
「いや、本当にこの子達なんですけど、1人が作戦に感づいちゃったみたいで…」
「ほう、即ちテメェは作戦を隠し通せなかったと…単位下げられたいの?」
女性の声には明らか怒りと飽きれ、少しの殺意が籠っていた。
「いや~、それだけは止めてください~!この頃酷いんですから~!」
「それはテメェが射撃テストと任務にしか出ないからだろ!自業自得だよ!仕方ないから私がそいつらを見てやる。今すぐに学校に連れて来い!5分以内だ!良いな、遅れたら1秒につき単位を1ずつ減らしてやる。じゃあスタート」
そう言うと同時に電話が切られた。
絵理はかなり焦っているようで、顔面蒼白だった。
「これは大変よ…多分天変地異が起こるわ…。」
「あの…絵理さん?どういう…」
「理由はあとで話すから!だから走って!全速力で、ここから1kmくらいを5分以内で!」
「「えぇ!!!」」
2人は驚いた。本日何回目かの驚き。もう驚きには慣れたと思っていたが、1km5分以内というのを聞いて流石に驚かざるを得なかった。特に佑は。
「うわっ!もうこんなに時間が!早く行くよ!」
そう言って3人は全速力で相武高校へ向かって行った。
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