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俊は質問したが応答が無い。完全に無視されている。
その後、俊は質問しても無駄だということを悟り、黙った。
すると扉を開けて和美が口を開いた。
「こっからはあまり離れるな。それと下見て歩け。いいな。」
と。しかし俊は訳も分からない上に、反対したら絶対に殺されるだろうと思い、和美にぴったりとくっついて歩いた。
ぴったりとくっつくと言っても、流石に1mくらいは空けている。多分触れたらこれまた殺され兼ねない。正に一触即発なのである。
扉の向こうへ行くと、地下への階段があった。階段の下からは銃声の様な音が聞こえてきた。
扉が分厚かった為、音が完全に遮断されていたのだろう。
階段を降って行くと、今度は普通の扉があり、その近くには購買部“の様なもの”が建っていた。
その購買部らしきものは、外見はごくありふれた形をしているのだが、カウンターから弾が連なっている7.62mmNATO弾がぶら下がり、端っこにはショットシェルや9mmパラ等の弾があったり、カウンター奥の壁にはドラグノフやG36K、G2010、T.A.R.21など、世界各国の銃がところ狭しと並んでいた。
そんなことに驚いていると、ふと足下に何かが触れる感覚がした。
下を見てみると、空薬莢が転がっていた。
多分、「下を見て歩け」というのは、「空薬莢があるから転ばない様に気をつけろ。」という意味なのだろう。
「ここだ、入れ。」
そう手短に言われ、その通りにすると、広めのシューティングレンジがあった。そこは今まで無人だった様で、一瞬だがネズミが見えた。
だがよく考えてみると、そこには誰もいないため、他の場所から銃声が響いてくる。即ち、この学校には大型のシューティングレンジが2つあるのだ。
「じゃあまずハンドガンから撃ってみろ。その次はアサルトライフル、サブマシンガン、スナイパーライフル、ショットガン、ガトリングガン、アンチマテリアルライフルの順番でやれ。広さ的には問題ない。音も少しは吸収される。遠慮無く撃て。」
「え、そんなに…」
ズガァン
突如シューティングレンジに大きな銃声が響き渡った。
俊は驚いて目を瞑った。目を瞑っているため辺りの状態が把握出来なかったが、すぐにわかった。
何故なら今現在、額に冷たく、熱く、大きな何かが当てられていた。
「次、調子乗ったら頭粉々にするぞ。」
そう、今和美が俊の額にスイカを容易く粉々に出来る銃、デザートイーグルを押しつけているのである。“トリガーに指を架けて”。だが一つ安心した事があり、ちゃんと部屋の防音機能が働いたのである。
銃という物は普通、セーフティを掛け、指をトリガーに架かけず、マガジンを抜いておく等をして暴発や誤射を防ぐ。
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