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「…だから、考えが甘いっての」
そして、ピョンと修介は飛び上がった。
刹那と修介の二人は、背中合わせに闇の使者の様子を窺う。
「数で押すというのも、立派な策になるな。この数を相手にするのも、それなりに厳しいものがある」
「どうする? 俺が一気に吹き飛ばすか?」
「確かに多勢相手はお前の専売特許だが、何せ、この狭い廃工場だ。修介、お前の一斉射撃を撃ったところで、先が見えるはずだ」
「工場ごとひしゃげて、俺達もおじゃんか」
つまり、少しずつ倒していくしかない。
一応、刹那には『バスターソード』と呼ばれる巨大な剣、修介には『シューティング・バースト』と呼ばれ一斉射撃によって、敵を一気に殲滅できる技があるのだが、この廃工場は一般的な工場と比べて若干小さい為、二人がそれぞれの技を使ってしまうと、工場ごと破壊してしまう恐れがある。
「考えていても仕方ない。行くぞ、修介!」
「了解。じゃ、叩き潰すぜぇ!」
刹那はネオスライザーを構え、修介はそれぞれの銃口を向け、闇の使者の大群に突っ込んでいった────。
「────…み、蒼海!」
「────!?」
「何をボーっとしている。しっかり講義を聞かんのなら、留年しかねんぞ」
気付いたらそこは、大学の講堂だった。階段教室になっているこの行動のちょうど真ん中の窓際に座っている刹那は、とりあえず「すみません」と素っ気なく謝罪し、その場をやり過ごす。
「おい刹那、最近多いぞ。そういうふうにボーっとしてるの」
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