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「花音!理皇!入学式行くわよ~」
「はーい!」
「もうちょい待ってー母さーん!!」
相模家は慌ただしい朝から始まる。
といっても本日は入学式、父は仕事で来れないが、母が付添い人として来る。
弟は中等部の3年だが、入学式は全学年で行うのが皇蔭学園の伝統だ。
つまり、こいつも当然出席することになっている。
皇蔭学園は初等部から大学部まであるマンモス校で、希望すれば大学部まで持ち上がりで行くことができる。
ただし大学部まで進学する人間は稀といってもいい。
なぜなら、この学園はいわゆる一般人と呼ばれる普通科と、芸能人が在籍する芸能科、芸術を志す芸術科の3学科に分かれているからである。
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