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「さて。俺らも帰ろか」
「うんっ」
私達も家に向かって歩き出す
行く時に感じていた寂しさなんて無かったかのように、私は歩いていた
太陽がいるから、だね
「荷物持つぞ?」
私が肩に掛けているトートバッグを見ながら、太陽は手を差し出した
でも、私はバッグを抱えるようにして、
「ううん、いい。家に着くまでがおつかいだから」
と断った
彼は少し驚いて、微笑んだ
「そっか」
「だから、さっきホメたのはナシだよ」
「……ん?」
太陽の『どういう意味?』と言いたげな顔を、私は出来るだけ大人ぶった顔で見上げて、
「おつかいはまだ終わってないんだもん。家に帰ったら……ホメてね♪」
「……顔がニヤけとるぞ」
「あう……」
ホメてもらう時のコトを考えたら笑顔が出てしまいました
帰宅後──
「……真由さん?」
テーブルを挟んで向き合う形でソファーに座って、私はソファーの上で正座をしている……
「頼んだ物が何一つとして無いんですが?」
「……ゴメンナサイ」
「なんでハンバーグの材料買うてきてん。ミラクルな間違え方したな、オイ」
「自分でもよくやったと思います……」
「まあ、悪いコトはしてへんから責めんけど。ホメるの、今回はオアズケやな」
「ふぇぇ……」
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