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下駄箱の前で解放され、まず初めにため息を吐いた
「遊里~……ヘンな誤解されたやんか~……」
前のクラスは遊里の行動の珍妙さに慣れとったからまだ良かったけど……ウチまで特殊な性癖の人って思われてもたし
「ウチは大歓迎やで」
「ウチはイヤよ!」
笑顔の遊里と一緒に、ウチの家の方に歩き始めた
まったく。なんでウチはこんな扱いになってもたんやろ……
「まあまあ。こうしとけば夕日にヘンな虫も寄ってけぇへんやん?」
「ウチが好きになった人まで避けそうやけどね……」
ウチにはその気がないのに誤解されて、それが原因でフラれたら……しばらく立ち直れへん自信があるよ
「大丈~夫!ウチが認めた人間以外はどうせ門前払いやから」
「ははは……」
お父さんより厳しいわ……
「てゆーか、どんな人やったら認めてくれるんよ」
「そりゃあ、筋肉隆々で夕方の浜辺をフンドシ一丁で走っとるようなアツい男なら……「それはウチがイヤ」
そんな人と過ごせる自信はない。うん、ないな
てゆーか、遊里の好みって……変
「……なぁなぁ。ユウちゃん、ちょっとマジメな質問したいねんけど、かめへん?」
少しの間の後。遠慮の色がうかがえる声で、遊里は言った
「え?あ、うん。ええけど」
急に改まって……どないしたんやろ
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