1249人が本棚に入れています
本棚に追加
遊里の抱擁から逃れると彼女は笑顔で、
「いやー、ヘンなコト訊いて悪かったねっ」
と振り切るように言った
気が付くと、ウチの家はすぐ近くだった
だから明るく言うたんかな
「ええよ。じゃあ、またね」
「ウッス!失礼しやす!」
体育会系のノリを残して、彼女は走り去っていった
───
──
─
お昼にはまだ早かったので、着替えだけを済ませて家を出た
友達の家に向かっていると、少し離れた十字路の所を、よく知っているコが横切っていた
「あ。真由?」
声をかけようとして駆け出した……が、数歩で足を止めた
……人違いかな?
少し遠かったのもあるけど、一番人違いを疑った理由は……太陽が一緒におらんから
いや、でも確かに真由やったよなぁ……
考えながら歩いて、十字路に差し掛かった
左を見ると、やっぱり真由らしき後ろ姿の女の子がいる
ん~。真由は一人で出かけへんと思うねんけど……
とか考えながら、無意識に右側に目を向けてみる
「……わっ!?」
こっちにもよ~~~く知った人がおった──しかもメッチャ近くに
「おう!?なんやねん、人の顔見てビックリすんなよっ」
太陽やった
最初のコメントを投稿しよう!