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途中、真由の周りに子ども達が近付いてきた
「あいつら……」
その子達を見て、太陽はため息を吐いた
「あの子ら、知り合い?」
「近所のチビども。俺と真由を見つけてはからかいに来んねん」
「アンタら、小さい子にまでからかわれてんの?」
「俺らって言うか……あれは真由がうちに来る前からやから、何かキッカケを見つけて俺をオモチャにしとるんやろな」
……太陽は面倒見がええから、子どもに好かれやすいんやろな
昔からそうやったなぁ
うちも太陽の世話焼きから仲良くなって……好きになったんや
真由も……
そう考えた瞬間、さっきの遊里の言葉が頭を過った
――もし真由が転校してこんかったら、自分が太陽と……って、考えたこと無いん?
「……夕日?」
呼ばれたのに気付いて、ウチはハッとして顔を上げた
「え?ああ、ごめん。何?」
「いや……なんか暗い顔しとるから」
「……」
そう言われた瞬間、今まで目を背けていた感情と向き合った
ああ――ウチは太陽を完全に諦めきれてないんや
それを理解したのと同時に、自分の中である決意が固まった
「おーい、夕日~?」
そんなことを知るはずもなく、ウチの顔の前で手を振る太陽
そんな彼にウチは――
「……太陽」
「ん?」
「ウチさ……太陽が好きやねん」
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