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「……はん?」
彼は、意味がよく分からない、という風に目を点にする
そりゃそうやな。彼女が目の前におるのに、いきなり好きとか言われたら混乱するよね……
「いや、まぁ、俺も好きやで?……逆に嫌われとったらどないしたらええんスか?」
ちょっとズレていた
友達として好き、ってコトやと思ってる?
「違う!そうじゃなくて……」
不思議と、その続きを口にすること自体に躊躇いはなかった
例え、太陽との友情が壊れてしまうとしても……
――ウチは、伝えたかったんや
「異性として……太陽が好きやねん」
真っ直ぐ太陽を見つめる
「は?……あー……えっと……」
今度こそホンマに混乱しとるみたいやね
尾行している真由のコトさえ忘れてしまっているらしい彼に向かって、さらに言葉を繋ぐ
「……って、今なら言えるのにね。もう遅いのにさ……」
嘲笑に近い笑いが出る
「中学に入る前から太陽が好きで、ずっと好きで……でもウチは昔から気が弱いから告白なんか出来んくて……真由と付き合っとる今でも、完全には諦めきれてない」
「……」
太陽は無言でウチを見ている
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