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「諦め切れへん。それくらい太陽が好き」
――ずっと……ずっと抑えていた想い
――諦められない恋心を、今、伝えた
「夕日……」
「待って」
どこか辛そうな表情の太陽の言葉を遮った
もう叶わない恋だろうと、太陽に避けられることになろうと、どうしても太陽に「好き」って伝えておきたかった
伝えてどうしたい、なんてことはない
ただ――
「ウチはね、太陽がホンマに好き。けど……同じくらい、真由も好き」
――完全に諦めたかった
「だから、太陽と真由が恋仲になってよかった、と思ってる。思ってるのに……ホンマに二人に幸せになってほしいのに……まだ諦めてない自分がおる」
「……」
太陽は何も言わない
もしかしたら、「なんやコイツ」って呆れとるかもしれんけど……
「そんな嫌な子の自己満足に付き合わせて悪いと思うけど……ウチは心の底から二人を応援したいから、言います」
その瞬間、桜の花びらが数枚、ウチの横で舞った
それは儚く――静かに――ヒラヒラと舞って……
「太陽のコトがずっと好きでした」
澄んだ空へ飛んでいった
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