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ウチと太陽の間に沈黙が生まれた
少し向こうからは真由の照れたような声が聞こえる
親友が……好きな人の彼女が、幸せそうに笑っている声が聞こえる
太陽はウチの顔を辛そうな顔で見つめてから、
「……俺らさ」
目を逸らして、口を開いた
「俺ら、付き合い長いから……って言うても、今の今まで夕日の気持ちに気付けんかったから説得力ないけど……お前が今どんな気持ちかは、分かっとるつもりや」
彼は目を閉じ、一度深呼吸をした
「正直ビックリしたけど……それが本気やって分かるから、ちゃんと答えるよ」
そして、静かに目を開いて―――
「俺も好きや。でも、俺は夕日とは付き合えへん」
そう、言った
言ってくれた
「……うん」
不思議やなぁ
フラれたのに、なんかスッキリした
自己満足やけど、区切りをつけれたからかな?
「なぁ、夕日」
「ん?……なぁに?」
「えっと……俺はお前の恋人にはなれんけど」
どんな意味でかは分からないけど、彼は言いにくそうにしながら
「これからも、一緒におってええかな?」
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