1249人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ん?慶次?」
真由の方に意識を戻した太陽が言った
「え?……あ、ホンマやね。こんなトコで何しとんやろ」
また隠れながら見ていると、慶次は真由に話しかけていた
「さあな……つーか、アイツ大丈夫かな。俺のコトが好きなんと同じくらい慶次のコトがキライって言うとったけど」
「……それ、この世で一番キライってコトちゃうの」
反対の意味でも、真由にとって太陽と同じくらいっていうコトは、壮大なスケールの尺度になるはず
……ドンマイ、慶次
密かに慶次を励ましていると、慶次が真由に手を伸ばし、
「ひぃぃ!?」
触れようとする瞬間、真由は怯えた声を出しながら慶次から離れた
「なんや?あのアホは何をしたんや?」
「分からへん……」
そのまま見ていると、真由が少し震えだした
後ろ姿やから分からんけど、泣きそうなのかもしれない
「え……えええ!?いやいやいや、ちょっと!?」
慶次は狼狽えている
「はあ……家まであと少しやってんけどなぁ……」
そう言って、太陽は二人に向かって走り出した
―――
――
―
最初のコメントを投稿しよう!