1249人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、また明日」
「おう」
「うんっ、また明日ね」
太陽と真由と別れて、ウチは友達の家に向かって歩き始めた
途中まで一緒に行くだけの予定やったのに、見送る所まで来てもたから少し戻ってしまっていた
ちょっと急がなアカンね
ウチは少しペースを上げて目的地に向かった
その間考えていたのは、さっき別れた二人のコト
――きっと、家に帰ったら太陽は真由を労って、真由は幼い笑顔を太陽に向けるのだろう
そう考えて、いつもと少し違う自分に気づいた
少し前なら、こんなことを考えたら切なさというか、寂しさというか……そんな思いを抱いていたはずだ
でも、今はそれがない
「……ふふっ」
それどころか、思わず笑ってしまうくらいだ
これまで以上に、二人の幸せを見ていて幸せになれている……そう思った
――帰ってからどんな話をしたのか、明日聞いてみよう
そんなことを思いつつ、同時に、少し遅くなったことを友達にどう謝ろうと考えながら――
前を見て、ウチは走り始めた
最初のコメントを投稿しよう!