レベル1 カリヤの村

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「2人共、心配かけないで」 「「ごめんなさい。」」 2人は、母親に抱きしめられて家に帰って来た。 「お腹空いたでしょ?スープがあるのよ。」 ほっとして涙ぐみながら、優しく2人の頭を撫でる。 「うん。お腹空いた」「でも、お兄ちゃんが、」「甘いのくれたの。」「抱っこして」「あったかかったの」「あれ?」「ニコル」「お兄ちゃんは?」 「え?あなた?誰か一緒にいてくれたの?お礼をしなくちゃ。どちらにいらっしゃるの?」 きょときょとする母親。 その場には、母親を含む祖母や女たちが10人ぐらいいて、一斉に父親の方を見た。 「あ、いや、人間が一緒にいたが…村長の納屋…に放り込んだって…」 「なんですって!」「お兄ちゃん!」「うわー!お父さんのばかー!」 10人の血相を変えた女性の集団が、村長の納屋に突進していった。見張りに立っていた男をぎゅうぎゅうに締め上げて、中に乱入していった。 半分の女たちは何かを担ぎ家に戻り、半分の女たちは村長の家に駆け込んでいった。
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