レベル1 カリヤの村

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ぶらぶらと、歩いていると、霧がふっと晴れて湖が現れた。 「きれい…こんなきれいなところ…初めて見るかも…。」 深い緑の木々を、鮮やかに映した湖の緑。うっすらと残る朝霧に朝日が射し込んで…。 宗教画のような素晴らしい景色だった。 ため息が出てきて、うっとりとしてしまった。 歌が口からこぼれ落ちる。 朝の清々しい空気の中に、ボーイソプラノの高い声が響く。 自分でも、びっくりするぐらい声がでた。 ウィーン少年合唱団の声みたいで、ちょっとうっとりしちゃった。 聖歌は、お母さん仕込み。 公務員の傍ら、セミプロのソプラニスト。ボランティアで施設を回ってコンサートに参加している。 あたしも、たまにコーラスで参加してた。 第九も歌ったんだから。
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