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「ねえ?どこに行くのかな?」
フワフワと浮いてるあたしに、精霊さんは一斉に答えてくれた。
『『『勿論!カラオケオールよ!(だ!)』』』
どこにあるの?カラオケボックス…。
「行って来まーす!心配しないでー!」
小さくなってる皆に向かって、手を振るけど…聞こえたかな?
慌ただしい展開で、ちょっと落ち着きたかったのもあったから、皆には悪いと思ったけど…。
「ニコル!帰って来るんだよな!」
サウジ…。
目が、不安そうに揺れてる。
「うん!待ってて!」
話しは終わった!とばかりに、精霊さん達があたしをドピュン!っと引っ張った。
「ウワアァァァー!!」
あたしのドスの利いた叫び声が辺りに広がる。
早く元に戻りたい…。シクシクシク…。
あたしが連れ去られた後…。
「帰って来る。そう言ったよな。」
「そうね、サウジ。ニコルは、あたし達には聞こえるって分かってて、あんな遠くから話したんだもの。
あたし達の所へ帰って来るわよ。
あー!楽しみ!あの姿のまま帰ってきてくれたらうれしいわぁ~。」
アランとサウジの会話に、周りが騒然となり、ニコルの居場所をどこにするのか、また話し合いというにはあまりにも物騒な会話が続いたのだった。
後日、王城に魔族代表や獣人代表が集まり、連日の会議の後ようやく新たな魔王誕生の知らせが、世界中で発表されたのだった。
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