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チラッと後ろを見ると気配を丸っきり消したライディスが近づいて来ていた。
そっとあいつの背中に手をかざした。
「―!!?」
あいつが気付いた時には遅く振り向く間もなく魔力で風を背中にぶつける。
意識を失うほどの強風を一点に受けたそいつはぐったりとしてライディスに身体を預けた。
「先にお運びしておきます。月の部屋でよろしいでしょうか?」
「あぁ。これが片付き次第そっちに向かう。あとは頼んだぞ。」
「かしこまりました。」
消えていくライディスと蒼宮を眺めながらも意識は魔物へと集中させた。
「お帰りなさいませリクロス様。」
「あぁ。お前は下がっていろ。部屋に近づくなと他の者にも伝えておけ。」
城に戻った俺はあいつがいる月の部屋に向かう。
門で出迎えた執事、メイドなどは殆ど無視して部屋に向かう。
どういう風に躾をしてやるか…。
先ずは俺をイラつかせたことがどんなことなのか解らせてやるか。
考えれば考えるほど自分が興奮していくのがわかった。
「んんーっ!!んっ!んっんー!」
扉を開ければ五月蝿い呻き声が聞こえ、目を向けるとそこには身体の自由を奪われ猿ぐつわをしているあいつの姿。
魔力で押さえつけられた身体は何もされていないのに身体が全く動かない。
昔されたことがあり今と違って解き方がわからなかった俺は全く歯がたたなかったのを覚えている。
たしかライディスに躾と言われて……いや、思い出しただけで吐き気がする。
「んんっ!んっんんーっ!!」
おっと忘れていた。
こいつをどうするか…。
「待たせたな。それにしても五月蝿い奴だな。待ち遠しいか?」
そっと手を差し出して頬を撫でる。
驚いてビクッと身体を跳ねさせる蒼宮。
「蒼宮っつったよな?あんた。」
「んぅ。」
首を縦に降りながら短く唸る蒼宮。
優しく微笑みながら顔を耳元に寄せ、いつもより多目の吐息を含ませて喋った。
「男を教え込んでやるよ、その身体に。」
良い終えると同時に猿ぐつわを外して口を自由にした。
「要するに、相手しろよ。気持ち良くしてやるから。」
「え…あ……え………?。」
硬直した身体に青ざめていく顔。
怯えてるからこそ余計に興奮する。
「い…やだ…嫌だ……頼むから!止めてくれ!」
必死になって懇願している蒼宮。
今俺に言われてやっと自分の立場がわかったらしい。
。
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