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「あ?何言ってんだよ、お前。どうせヤりに来たんだろ?」
ヤり…に?
ヤる!?何を!?何をだよ!!?
俺の頭の中を置いて奴はどんどん手を進めていく。
ネクタイを緩めて、シャツのボタンを外して、肌着の下に手を滑り込ませて直接肌を撫でてくる。
「何してんだよ!俺そういう趣味ねぇから!ふざけんじゃねぇよ!」
いくら抵抗を試みても案外強い力で押さえつけられた腕はびくともしない。
またか。またなのかよ。
中学では逃れられてもどうせ高校でヤられる、そういう運命だったんだ。
「お前さ、今自分の事『俺』って言ったよな。『僕』じゃなかったか?それに口も悪いし。なになに?もしかして二重人格とか?それともそれが本性?」
しまった。
俺としたことが。
作り上げていた俺が一瞬でパーだ。
思わず硬直する俺とニヤニヤと笑う坂下。
「ふーん、そう。そういうこと。どうしよっかな。バラしちゃっても良いんだよ?クラスの人に。どうする?」
「やめろ!頼む!言うな!」
焦って思わず言葉が強くなってしまった。
必死になってる俺を余裕な坂下はどんどん追い詰めていく。
「じゃあ、取り敢えず俺の下僕になってもらおうかな。」
下僕…?
こいつ、マジで頭がやべぇんじゃないか?
「どうする?俺はどっちでも良いけど。」
未だにニヤニヤと顔を歪めながら俺に決断を促してくる。
俺としてはどちらも選びがたい選択肢だ。
だがどちらかを選べと言われるとやっぱり…。
「本当に、言わないでくれるんだろうな。」
「あぁ。」
悔しげな顔をしているであろう俺と勝ち誇った笑みを浮かべている坂下。
どうせ弟子入りして本性を知られるんだったら今知られたって変わりは大差ないだろう。
それに近くにいる口実ができたしな。
逆にあいつの弱点を握ってやれば良いんだ。
そうすれば一気に立場逆転で…。
「って何やってんだよ!?」
再び俺の腕を強く押さえて肌を撫で始めてきた。
それを当然ではないのかという顔をする坂下。
「下僕だろ?ただご主人様に従ってれば良いんだよ。下僕って言うのはそういうものだろ。まぁ、大人しく抱かれてろ。」
抱かれてろ…だ?
「っざけてんじゃねぇ!!下僕下僕うるせぇんだよ!大体こんなことされてて大人しくしてられっかよ!!きめぇ!」
爆発した。
元々人に触られること自体嫌いなんだ。
耐えてられるかよ。
。
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