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なんだか俺はとんでもないファンタジーな世界に来てしまったようだ。
この話が本当に在るのか否か、俺には全くわからない。
「僕は全然わからないな。そんなこと本当に初めて聞いてて。」
「え、そなの!?ほらさ、入学当初いきなり放送流れてきたと思ったら始まってたり、そのこと他のクラスの奴に言ったらすっげぇ生暖かい目で見られたり!ない?」
「ない…かな。」
どうやらさっきの話は丸ごと事実と受け取って良いようだ。
それにしても平凡な俺がなんでこのクラスに配属されたのか、が気になる。
さっきの制度を作っているのは誰か知らないが、そいつは俺の何を判断したんだか。
「そっかー…俺らが1年の頃と丸っきり一緒だな。元々力に気付いてた奴もいるけど俺は初耳でスッゲェびびったもん。大丈夫だよ!まこっちゃんなら絶対何とかしていけるから!!」
「うん。ありがとう。」
なんとかなるものなんだろうか。
様々な疑問が浮かぶなか山原が顔を寄せてきて耳を貸すようにジェスチャーをしてくる。
「それでな、りっくんの事、ただの不良じゃないから。1番注意しなきゃいけない人物。この世界に限らず関わるのは程々にな。」
「あぁ。あの、何でって聞いても平気?」
気になる。
さっきの事もあるし、どういう力があるとか、どういうところに注意しなければいけないとか。
聞きたいことは山ほどある。
「これ、ただの噂なんだけど、『魔王の加護』があるとか。いつも圧勝。でもホント、超スゴいから。」
なるほど。
いろいろと不可解な点は多いが大体は把握した…と思うがやっぱり動揺はしている。
まだ半信半疑だし、もし本当にそんなことが行われてるなら不安でしょうがない。
なんだか物凄くファンタジーな世界に来てしまった俺だがそんな世界に馴染んで非日常が日常になってしまうなんて思いもしなかった。
今の俺は知るはずなんてない。
これから始まる物語なんて―…。
。
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