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遥か昔より、大陸は大きな戦争によって二つに分けられていた。
一方の国はガルディア共和国。もう一方の国はセントシルナ連邦国と言い、両国は永きに渡り争いを続けてきた。
戦争は終わりが見えず、このまま永遠に戦争が続くかに見えたが、突如として終わりを迎える。ガルディアの大統領の息子でありガルディア軍総司令、ダンテ・ガルディアの下にセントシルナの姫、ミレイ・シルナ・ルーテルが嫁いだのだ。それにより両国の和平が急速に進み、争いは終息した。
そして、翌年にはセントシルナは元々経済力で勝っていたガルディア共和国に併合された。そのため、セントシルナ国民からはミレイは貧困に喘いでいた国のために人身御供に出されたのだと揶揄された。
しかし、併合し、いざガルディアの貨幣が流れこんでくると、セントシルナの経済は潤い、暮らしは豊かになった。国民たちはミレイの結婚を美談として語るようにまでなった。
戦争の終わりにより、ガルディア共和国は二つに分けられていた大陸を一つに統べた。そして大陸には争いが無くなったーーはずだった。
大陸から戦争は無くなったが、今度は戦争を生業としていた者達、ガルディア共和国に反感を抱く者や行き場無くした兵士達が略奪や暴虐を尽くし、ガルディア政府を脅かし始めた。
あまりにも数が多く、また戦争の直後であるため、軍を動かすことが困難であったガルディア政府はならず者達に賞金を科し、賞金首狩りを奨励した。
政府の狙い通り、賞金を狙う賞金稼ぎは増加していった。ーー今日も大陸のどこかで、一攫千金を狙い、人の欲望が渦を巻く。
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