肩幅の愛

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「私、もういいよ。この喫茶店には来たことがないし、それで十分」  言ってから、彼女はコップの中のレモンティーを一気に飲み干し、席を立った。 「じゃあね」  彼は店員を呼び、自分と彼女の使ったコップを実費で買い取り、それを近くの公園のゴミ箱に捨ててから、血が出ないように気をつけて首を吊った。あとにはただ空気とその中に浮かぶ体だけが残った。  死体は、二日もすると両方とも見つかった。警察は手袋の着いた手で、二人の関係を調べた。
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