あのとき来たのがセンセーだったら

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勢い良く開かれた扉から間宮が現れた。 早くね? 片手にカルテのような板をもっており、さらには足元は職員室内のみではいているサンダル。 よっぽど慌ててきたのだろうか、少し息があがっている。 「……無事でなによりだ」 ふーと長く息を吐く間宮。 「うぇい、すいませーん…関係ないすけど、センセーが慌ててるの見るの初めてかも?」 飄々としてるイメージしかないし。 「なんか新鮮」 「……そうか?心配したら焦るのは普通だと思うけど」 と、バツが悪そうに言い、額に手を当て前髪をかきあげた。 「やー、もうイメージ定着してたから。」 自信家でイケメンで、忘れちゃいけない「エロ魔人!」 ん?今余計なものついてたよーな? 鍵かっことかゆーやつ。 「エロ魔人で悪かったな」 うおっつ!やっぱり!!また声にでてた!?心の声! 「や、ちがくて」 最近危険な俺の口。 何がどう違うかわからないけど、とりあえずの言い訳。 「まあ、いいけど。」 びくびくする俺に、なんと!まさかの心の広さをみせる間宮。 「さっすがセ」「ホントのことだから」 俺の耳に不穏な言葉が聞こえたのは気のせいか。 「え?何が……」 問い掛ける俺に、にやりと笑う間宮。 ギィィ、ガチャン 重い音をたて、扉が閉まる。 いや、正確に言うと間宮が扉を閉めた。 ご丁寧に鍵までかけたようだ。 「あ、あんまり聞きたくないんだけど、な、なぜ鍵をしめ………」 「佐々木がエロ魔人とかに興味あるみたいだから、教えてやろうかと思って?」
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