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ドンッ
その音は耳から聞いたものではなく、体を伝わっていき直接脳みそに届くものだった。
それの発信源は俺の胸辺りで、西森に突き飛ばされたことによる音なのだろう。
なぜ突き飛ばされたのか理解できなかったので、西森のほうを見てみる。
西森と目が合った。
その西森の目が「足元を見てみろ」と言わんばかりに下へ向けられている。
そこは今さっきまで寝転がっていた場所だ。
矢が突き刺さっていた。
それも某狩りゲームなんかで見るようなボウガンの物ではなく、れっきとした弓矢の矢だ。
そして、今の矢が掠ったのか、西森の頬には一筋のかすり傷が。
「そこにいるのは分かっているのよ、織姫。出てきなさい!」
西森がいきなり虚空に向かって叫んだかと思うと、空から人が降りてきた。
空から降りてきたのは、まだ子供っぽさが抜けていない顔立ちをした、オレとさほど年は変わらなそうな女子だ。
さっきの一件で、彼女が空から降りてきたことぐらいでは驚かない。
乗り物に乗らないで浮いていられることは気になったけど。
でも、それより気になることが一つ。
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