織姫と彦星

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ライヤが床で額を押さえながら転がっているうちに、先ほどの話の続きを伝えよう。 「そういうことでスズ、次の土曜は一日付き合うよ。ついでに昼も奢ってやるからさ。それで今回のはチャラって事で」 それを聞いて、スズはしばらく考え込んだあと、 「……イチゴパフェ」 そう呟いた。 にしても、イチゴパフェか。 まぁそれで今日一日スズの罵倒を回避できるのなら安いもん……なのか? 「しょうがない。いいぞ、イチゴパフェ追加だ」 返事を聞いたスズは笑顔で「やった」とつぶやいた。 その笑顔は、子供の時を思い出させてくれる無邪気なもので、いつものスズとは正反対なものだ。 だからこそ、その可愛さが際立って見える。 つまり、スズのこの表情が一番好きってわけだ。 「それ、俺も参加していいか?」 いつの間にか復活していたライヤが、土曜日の買い物に参加を申し込んできた。 「あぁ、いいよ」 別に断る理由は無いし、荷物持ちは多いほうが楽だから承諾しよう。
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