織姫と彦星

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もうすぐ朝のHRの時間なので席に着くスズ達。 朝から担任に文句を言われるのは嫌なのでオレも席に着くとするか。 「ん?」 ふいに後ろから肩を叩かれる。 そのまま振り返り、背後にいるであろう人物が誰かを確かめてみる。 「これ、落し物」 相手が差し出してきた右手に握られているのはオレのケータイだった。 「サンキュ」と礼を言いながら誰か見てみる。 その人物は腰の上らへんまである長い黒髪を一つに結んで(ポニーテールってやつだろう)いる。 たしか先週あたりに転校してきた、 「西森、で合ってるか?」 「えぇ、合ってるわ。それより、そこら辺に携帯落としていると踏まれるわよ?」 「おう、ありがと。今度から気をつけるよ」 西森はオレにケータイを渡してさっさと座ってしまったようだ。 アイツの下の名前はなんていったかな、なんて思っていると担任が教室の扉を開けて入ってきた。 とりあえず、オレも席に着くとしますか。
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