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「ねぇ、麻衣ィー。あたしトイレ行きたいー!連れてって♪」
奈緒は完全に酔っ払って、麻衣に甘えてベッタリ腕を組んでいる。
「はいはい。一緒に行こうね。」
麻衣が奈緒を立たせてトイレに行こうとした瞬間、俺の隣に座って居た肉の塊が急に立ち上がって、俺はそれを口を開けたマヌケた顔で見上げた。
「俺が連れてってやるよ」
えぇ!?久保田さんそこまでしちゃうワケ?
久保田さんは、さっさと奈緒の方へ歩いてったかと思うと、奈緒を抱きかかえるように後ろから支えて廊下に出て行った。
「奈緒ちゃん大丈夫かなぁ?私、奈緒ちゃんがあんなに酔っ払ってるの始めてみたぁ。」
里緒菜ちゃんは、素直に心配していた。
「イヤ、それにしても久保田さん。相当気に入ってるよな?」
ククッと小さく笑いながら、藤原さんは俺を見る。
「ですねー!でも久保田さんやっぱちゃうわ♪女のコの扱いも慣れてますね。」
テンション上げてそんな事言ってるけど、俺明日仕事やし、面倒やから早よ帰りたいねんけど。
俺のテンションは、日本酒を飲んだ気持ち悪さと合わさってどんどん下がって行った。
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