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「ハァァァァァァー……。」
魂ごと抜けて出そうな盛大なため息と共に、ゴトゴトッ…と携帯電話が掌かろ落ちて行った。
逆に酒を抜かなきゃって事か。
眠りたいのに。凄く眠いのに、脳裏に浮かぶ何かに全部を揺さぶられる。眠ってしまったら、そのまま何処かに落ちてしまいそうな、そんな不思議な感覚がして怖い。
「…………奈緒。」
思わず呟いてしまう。
さっきまで感じていた温もりも、まるで夢みたいだ。
そうじゃない。夢であって欲しい…。
なのに、眠る事さえ出来ない俺。
奈緒。お前、俺にナニしたんだよ…?
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