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口を塞がれたまま、アイコンタクトと頷きで落ち着いた事を伝えると、しぶしぶ両手を離してカウンターに向き直った藤原さん。
「一也。あの子は結婚するんだろーが?このままズルズル会ってたら、絶対にお前がブレーキ効かなくなるの目に見えてるわ。あれはそこらへんの女と違ってタチ悪いぞ。」
「…………。」
正直。返す言葉が見つからなかった。
この人の、まるで昨日の事を全部見てたかの様な忠告に鳥肌が立った。
「まぁ、玲香を全く相手にせぇへん位やから大丈夫かも知れんけどな。俺の勘って、当たらんでエエのにって所で当たる事が多いねんわ…困ったモンや。」
「う…。」
この人。マジで恐い…
俺の言い訳する気力は完全に奪われて、まるで親父に説教でも受けた後みたいにシュンと不貞腐れるしか無かった。
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