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「春羽 おいっ… 大丈夫か…?」
目を開くと白い天井。
硬いベッド。
薬品の匂い。
懐かしい声。顔。
ここは保健室…?
「伊緒…」
「大丈夫か?」
何があったんだろう。
思い出せない。
思い出したくない。
「嫌だ…… うあぁ…うわぁああっ!! 」
「春羽!? どうしたんだ!? おいっ!」
アタマが痛い。
痛い。 痛い。
何かがアタマを叩きつけた様な…。とてつもない痛み。
「 うぁっ… 嫌だ… はぁっ… げほっ…」
「春羽… 落ち着けッ…」
俺を抑えつける少年── 伊緒一光(いお いっき)は涙目になっている。 伊緒が泣く事無いのに。
「伊緒… ごめっ…」
記憶が無い。 何もかも。 覚えているのは伊緒の事だけ。
「春羽、何も覚えてないんだな?」
その言葉にコクリと頷く。
「今から、話すから、落ち着いて、聞けよ?」
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