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「海斗は、相変わらず、といった感じかな? 一目見たとき直ぐに分かったからな、多分母さんたちも分かると思うよ」
「ふ~ん、んで、文乃ちゃんはどうなのよ、すっかり見違えたでしょ?」
「まぁ、あの頃に比べれば随分と変わった……かな」
「あら、そうなの~? 聖耶は文乃ちゃんのことをどう思ってるの?」
「ぶっ、いきなり何を言うんだよ!?」
突然の質問に不意に吹いてしまいそうになった。
「あら、そんなオーバーなリアクションしちゃって、何、文乃ちゃんのこと好きなの?」
「ばっ、そ、そんなことあるわけ無いだろ!」
「果たしてどうだか……」
本当こういうときに限って、母さんの勘は鋭いから恐ろしいんだよな。そんなことを考えながらもつい文乃のことを考えてしまった。
――今、あいつ何やってんだろうな……。
我に返り、ふとさっき文乃と約束したことを思い出した。
「そ、そんなことより……土曜日にさ、海斗と文乃を家に呼ぼうかと思うんだけど、いいかな?」
「あらそうなの、全然大丈夫よ。それで、何時くらいに来るの?」
「だいたい昼ぐらいには来てもらおうかと思ってる」
「お昼ね、分かったわ。なんなら、そのまま泊まってもらっても構わないけどね!」
手馴れたウインクをして、母さんはその場を後にする。
その後、俺も部屋に戻ることにした。
「聖耶、ちょっと」
「ん? 何だ親父」
「母さんに聞かれたこと満更でもないんだろ?」
「……別に、そんなことは……ない」
改めてそのこと言われると凄く恥ずかしいが、それでも文乃は『幼馴染みは幼馴染み』であるに違いないから……。
「まぁいいさ、大切にしろよその気持ち……間違えても後悔するようなことはするなよ」
「……あぁ、じゃあ行くな」
「おう、引き止めて悪かったな」
そうして俺は階上し自室へと戻った。
その後は、それぞれの今日の出来事を会話に入れつつも夕食を摂り、簡単にシャワーを浴びた後に部屋に戻り、直ぐに就寝した。
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