第2章 郷愁と現実

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「海斗は、相変わらず、といった感じかな? 一目見たとき直ぐに分かったからな、多分母さんたちも分かると思うよ」 「ふ~ん、んで、文乃ちゃんはどうなのよ、すっかり見違えたでしょ?」 「まぁ、あの頃に比べれば随分と変わった……かな」 「あら、そうなの~? 聖耶は文乃ちゃんのことをどう思ってるの?」 「ぶっ、いきなり何を言うんだよ!?」  突然の質問に不意に吹いてしまいそうになった。 「あら、そんなオーバーなリアクションしちゃって、何、文乃ちゃんのこと好きなの?」 「ばっ、そ、そんなことあるわけ無いだろ!」 「果たしてどうだか……」  本当こういうときに限って、母さんの勘は鋭いから恐ろしいんだよな。そんなことを考えながらもつい文乃のことを考えてしまった。  ――今、あいつ何やってんだろうな……。  我に返り、ふとさっき文乃と約束したことを思い出した。 「そ、そんなことより……土曜日にさ、海斗と文乃を家に呼ぼうかと思うんだけど、いいかな?」 「あらそうなの、全然大丈夫よ。それで、何時くらいに来るの?」 「だいたい昼ぐらいには来てもらおうかと思ってる」 「お昼ね、分かったわ。なんなら、そのまま泊まってもらっても構わないけどね!」  手馴れたウインクをして、母さんはその場を後にする。  その後、俺も部屋に戻ることにした。 「聖耶、ちょっと」 「ん? 何だ親父」 「母さんに聞かれたこと満更でもないんだろ?」 「……別に、そんなことは……ない」  改めてそのこと言われると凄く恥ずかしいが、それでも文乃は『幼馴染みは幼馴染み』であるに違いないから……。 「まぁいいさ、大切にしろよその気持ち……間違えても後悔するようなことはするなよ」 「……あぁ、じゃあ行くな」 「おう、引き止めて悪かったな」  そうして俺は階上し自室へと戻った。  その後は、それぞれの今日の出来事を会話に入れつつも夕食を摂り、簡単にシャワーを浴びた後に部屋に戻り、直ぐに就寝した。
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